2015年01月06日

保安院、MOX燃料利用推進を優先し、津波対策に圧力

 政府が12月25日に公開した福島原発事故の調書によると、保安院が巨大津波の危険性を事故前から把握していたのに、津波対策を怠っていた事が分かった。

 東日本大震災直後に毎日新聞で記事になっている。
 岡村行信委員の提言を、東電は「十分な情報がない」と対策を先送りした、との記述がある。今回の調書で判明したのは保安院内部で、津波について圧力が存在したということである。
 しかも、MOX燃料の利用という国策推進を重視するために、地震・津波対策を意図的に怠っていたことが分かった。

 ちょっと、分かりづらい。
私なりの解釈では、
MOX燃料導入で電力会社に地元行政との調整や、東電と保安院間での手続き等で手間をかけさせているので、更に津波対策を取らせるのは難しい、という判断を保安院が行った、ということなのだろうか。

 結局、MOX燃料使用手続きを巡って経産省・東電は福島県と対立し、検察特捜による佐藤栄佐久知事(当時)への国策捜査が行われ、佐藤知事は排除されMOX燃料は福島第一原発に導入された。

 3号機原子炉と3号機燃料プールに32束つづMOX燃料が装荷されていた、と言われている。(原子炉内燃料棒の3分の1はMOX燃料だったという見解もある。)

 結果として、津波対策は行われず、全電源喪失を招き、3月14日には3号機燃料プール核爆発及び、3月20日格納容器圧力急上昇(爆発)が起きた。
MOX燃料が事故を重篤化した可能性は高い。

津波について言えば、

明治三陸地震 1896年6月 M8.2~8.5 最大津波38.2m(遡上高)
昭和三陸地震 1933年3月 M8.1   最大津波28.7m(遡上高)
チリ地震津波 1960年5月 M9.5   三陸海岸6.4m
東日本大震災 2011年3月 M9.0      最大津波40.1m(遡上高)
(Wikipediaより)
福島第一原発へ到来した津波は15m程度とされている。

と30年から50年間隔で東日本に襲来しており、869年の貞観地震を持ち出すまでもなく、地震対策は万全を期するべきだった。
また、日本の原発は費用低減のため排熱塔がない。これも津波による影響を大きくさせた。

----
(参考
津波対策「関わるとクビ」 10年 保安院内部で圧力

 保安院の小林勝・耐震安全審査室長の調書によると、二〇〇九年ごろから、東日本大震災と同じクラスの貞観地震(八六九年)の危険性が保安院内でも問題になっていた。独立行政法人「産業技術総合研究所」の岡村行信活断層・地震研究センター長は、貞観地震が福島第一周辺を襲った痕跡を指摘。自らの調書では「四百〜八百年周期で反復していると考えている」と述べた。
 岡村氏らの指摘を受け、小林室長らは貞観津波の再来リスクを検討するよう保安院幹部に提案したが、複数の幹部から一〇年に「あまり関わるとクビになるよ」「その件は原子力安全委員会と手を握っているから、余計なことを言うな」とくぎを刺されたという。
 当時、国策で使用済み核燃料を再処理した混合酸化物(MOX)燃料の利用が推進されており、保安院の幹部の中には、地震・津波対策より国策の推進を重視する体質があった。

津波対策を妨害した原子力安全・保安院の幹部に刑事罰を

津波検討「余計なことをするな」
保安院 上司から圧力
福島第1 政府事故調の調書公開

福島原発事故の調書、最後の資料が公開へ!東電社長や会長は非公開!津波対策で「あまり関わるとクビになるよ」と保安院幹部発言

posted by たかおん at 18:53| 埼玉 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 原発 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック