2007年10月15日

アニメ界の至宝、逢坂浩司様崩御-美少年キャラクターデザインを牽引したアニメーター逝く-

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敬称略
○Vガンダムから獣王星まで
 ショタコンという言葉があり、『鉄人28号』の主人公・金田正太郎に象徴されるアニメなどに登場するいわゆる「2次元」キャラクターに愛情を抱く事を差す。私はバビル2世の主人公に萌えた記憶がある。調べてみるとバビル2世=古見浩一という言うそうである。今見返すとあまりかっこよくない(^-^;。当時としては、ダイナミックなストーリーと作画で子供心を鷲づかみにしたのだろう。
 なぜか不思議な事なのだが、女性が描く女性キャラクターは萌えるのだが、女性が描く男性キャラクターにはあまり萌えない。男性の一流キャラクターデザイナーの作品は男性キャラクターも女性キャラクターにも萌える。
 90年代から昨今に到るまでアニメ業界を牽引した、逢坂浩司という優れたキャラクターデザイナー&アニメーターが先日亡くなられた。マンガやアニメの世界は相互に影響を及ぼしあって過去の遺産の上に作品が築かれていく。それはストーリーや演出のみならず、キャラクタデザインにおいても同じである。であるから、逢坂浩司と言えどもすべて独創の為せる技では無かったはずであるが、現役で最先端を走っていたアニメーターの死去がオタク業界に及ぼす影響は小さくはないはずだ。
 私が特に印象に残っているのは「機動戦士Vガンダム」「天空のエスカフローネ」「獣王星」である。
(参考)
アニメーション再興の礎となった機動戦士Vガンダム
http://wanwanlapper.seesaa.net/article/35156117.html
 逢坂浩司のキャラクターデザイナーデビュー作品はVガンダムである。「Vガンダム」主人公ウッソ・エヴィンのデザインはかなりあか抜けてシンプルである。そして、老若男女多数の登場人物を個性的に描き分けていた。「天空のエスカフローネ」では作風から勘案してディランドゥ・アルバタウ配下の竜撃隊隊員であるシェスタ、ミゲル・ラバリエル、ガァティ、ダレットらを担当したと思われる。他「機動武闘伝Gガンダム」「機巧奇傳ヒヲウ戦記」「絢爛舞踏祭 ザ・マーズ・デイブレイク」のキャラクターデザインを担当しているようだ。
 そして、「獣王星」である。逢坂浩司がキャラクターデザイン・総作画監督・作画監督として参加しており、「獣王星」のビジュアル世界は逢坂浩司の強いコントロール下に有ったと思われる。あくまで私の主観であるが、「獣王星」のキャラクターデザインは日本アニメ界において最高峰の域であったと自認している。

○逢坂浩司、結城信輝との相生と相剋
 「Vガンダム」後、サンライズはバンダイに買収され、資本や広告代理店との連携が強化されたためか、以前では考えられなかった潤沢な予算で、「天空のエスカフローネ」は製作された。
原作:河森正治 監督:赤根和樹 キャラクターデザイン:結城信輝 アニメーションディレクター:逢坂浩司の布陣であり、その後、河森正治、赤根和樹、結城信輝らは株式会社サテライト設立へ向い、一方逢坂浩司はボンズ設立に関って取締役に就任する。
 Wikiをみると、「天空のエスカフローネ」はヨーロッパで受けたようである。ジブリ製作の「ゲド戦記」を見て気づいたが、エスカフローネはアーシュラ・K・ル=グウィン原作の「ゲド戦記」に影響を受けているようである。ゲド戦記の主人公はアレンで真の名はレバンネンである。エスカフローネも剣と竜の世界観でありゲド戦記に酷似しており、主人公はヴァン、ライバルはアレンだ。欧米の人達が抱く18世紀以前の幻想の世界観にマッチしていることも、エスカフローネが受け入れられた理由と思われる。そして、天空のエスカフローネは2000年に劇場版が公開される。
 赤根和樹、結城信輝らは2002年に「ヒートガイジェイ」を製作。アンドロイドで作中では「マシーン」と呼ばれる「ジェィ」がタイトル名に入っているが実際の主人公はダイスケ・アウローラであり、明らかに美少年を演出する意図が随所に見られる作品である。結城信輝入魂の一作となっており、原画集が同人誌として発売されているが、現在高値で取引されている。
 ここから先はあくまで私の見立であるが、「ヒートガイジェイ」対する逢坂浩司の返答が2006年「獣王星」であったと思う。飄々として陽気な「ヒートガイジェイ」のダイスケ・アウローラと、悲壮な運命に翻弄される「獣王星」の主人公トール・クラインとはかけ離れた舞台設定ではあるが、バビル2世的な冒険活劇上の美少年キャラクターを演出するという点においては共通している。
 直後、2007年にテレビアニメ版「地球へ・・・」で結城信輝キャラクターデザインとして参加している。穿った見方をすると、「獣王星」の原作は「地球へ・・・」の原作からインスパイアされているかと思われるほど、類似点がある。生命の人工的管理に基づくエリートの創成や、地球に対する望郷、少年期において運命を共にした二人の美少年といった点などである。
 偶然にも、「Vガンダム」でウッソ・エヴィンを演じた坂口大助が「ヒートガイジェイ」でクレア・レオネリを演じ、「エスカフローネ」でディランドゥやセレナを演じた高山みなみが「獣王星」でトール・クラインとラーイ・クラインを演じている。クレアとディランデゥは狂気染みた性格設定が似ている。坂口大助と高山みなみとでは少年キャラクターを演じる上で、声の太さで坂口に分があるように感じられる。しかし、高山みなみの気丈なトール・クラインと気弱なラーイ・クラインの演じ分けの妙技においては、声優界の重鎮ならではの演技力を観ずる事が出来る。
 ひょっとしたら、ダイスケ・アウローラのネーミングは坂口大助から来ているのかもしれない。

○逢坂浩司の死を最も悼んでいるのは結城信輝なのだろう
 キャラクターデザインというのは姿形や服飾、ポーズ、表情を「設計」するわけだが、監督との協同作業で作画監督として演出まで携わることがあるようだ。逢坂浩司は結城信輝と共に演出面にまで精通した希有なアニメーターであったと言える。
 結城信輝は逢坂浩司と共にエスカフローネを製作して、その後所属法人が分かれたが、作品を通じてアニメ界という広義においては競業していたと言えるだろう。美少年を演出するという比較的少ない作品世界においては双璧とも言える人物同士であり、この分野の第一人者の片方が亡くなったのである。その衝撃を最も強く受けたのは結城信輝なのではなかろうか。
 
逢坂浩司
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A2%E5%9D%82%E6%B5%A9%E5%8F%B8
【訃報】逢坂浩司さん
http://hikawa.cocolog-nifty.com/data/2007/09/post_263f.html
posted by たかおん at 20:45| 埼玉 ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | アニメ批評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ムハンマド・アタの件はどうなった。いろいろ書かれているぞ。反論しないのか?
Posted by at 2007年10月16日 17:42
貴殿の鉄が軟らかくなるという御発言について
*さて、貴殿は以前に鉄は溶ける前に軟らかくなり強度を失うと言っていますが、無責任発言なので、ここでお聞きします。
【御質問】
1.かつて、ビル火災で鉄骨が崩落したケースはありますか。ビル火災の実例を挙げて説明願います。
2.では、鉄が溶ける前の何度くらいになると鉄が軟らかくなって強度を失うのですか。具体的な温度を言ってください。
Posted by at 2007年10月18日 08:59
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